銅合金と「銅・真鍮鍛造」について

銅合金と「銅・真鍮鍛造」について

銅合金の特徴と、銅合金でつくられる銅鍛造品について解説

銅合金とはCopper Alloys

銅は金属材料の中でも熱伝導率や電気伝導性・加工性・展延性に優れており、特に電子部品などの材料として多く用いられています。一般的に「銅」と呼ばれているものは、純度が99.90%以上の純銅です。純銅は酸素の含有量により、タフピッチ銅・リン脱酸銅・無酸素銅に分類されます。

銅合金はこの「純銅」を原料として他の金属を添加し、合金にしたものです。銅合金にすることで、機械的強度や耐食性、展延性など、さまざまな特性を向上させることが可能です。

銅合金の種類と特徴

銅合金には、添加される金属の種類や割合によりさまざまな種類があります。

真鍮(しんちゅう)

真鍮(しんちゅう)
真鍮は銅合金の中でも、黄銅とよばれる銅合金の一種で、銅と亜鉛による合金です。銅と亜鉛の比率により、七三黄銅(銅70%、亜鉛30%)、一般的な黄銅(銅65%、亜鉛35%)、六四黄銅(銅60%、亜鉛40%)などに分類されます。
また、少量の鉛や鉄、錫を添加した快削用黄銅や鍛造用黄銅などもあります。

青銅(ブロンズ)

青銅は、銅を主成分として錫(すず)を加えた合金です。添加する錫の量によって色が変化し、十円硬貨は錫の添加量が少ない青銅で作られています。
耐食性が大きいため、バルブや工業製品、美術品、銅像などに用いられています。

白銅

白銅は、銅を主成分としてニッケルを含む合金です。ニッケルの含有量が多いと銀のような輝きを持ち、五十円玉や百円玉、ナイフや管楽器の材料として用いられています。
海水への耐食性が高いため、海水の影響を受ける部品などにも採用されます。

高銅合金

高銅合金は、銅の比率が高い合金の総称で、銅が本来持つ電気伝導性や熱伝導性を損なわずに、機械的強度を強めた材料です。この特性を活かして、スマートフォンなどの電子機器や自動車部品の材料として用いられます。
銅に添加する金属としては、ベリリウムやチタン、ジルコニウムなどが挙げられます。
真鍮(しんちゅう)の特徴

〈銅合金でつくられる、銅鍛造の例〉

銅は電気伝導性を持つため、電気設備や避雷針の部品、バッテリーの端子などに用いられます。また腐食に強く、熱間鍛造性に優れているため、化学工業用部品や放熱器、その他複雑な形状の鍛造にも用いられています。

銅合金の中で鍛造に多く用いられているのは真鍮です。特に鍛造用黄銅は、適度な強度と高い展延性を両立しているため、非鉄金属の中では鍛造に多く使用される材料です。切削性やコストパフォーマンスも高いため、鍛造後に加工が必要な場合にも対応でき、さまざまな用途に用いられています。

〈一般的な製品例〉

    真鍮を用いた鍛造としては、高圧バルブ部品や配管継手部品、エアコンなどの電子機器用部品、装飾金物部品などが挙げられます。
    銅・真鍮の特性を活かして多くの鍛造品が製造されています

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